オーストラリア

Australia

1788年、アーサー・フィリップ船長はシドニー・コーブにブドウの樹を持ち込みました。これが、オーストラリアワインの始まりです。60以上のワイン産地で、100品種以上のブドウが栽培されています。現在オーストラリアのワイン生産量は世界第6位でワイン輸出国としてはフランス、イタリア、スペインに次ぐ第4位というワイン大国です。

オーストラリアワインが並はずれた成功を収めたのにはブドウ品種を明記したわかりやすいラベル表示、ブドウの味わいがはっきりとした親しみやすいワインのスタイル、価格にふさわしい価値など多くの要素があります。

気候と地勢

タスマニア州を除く、ほとんどの生産地が地中海性気候でブドウ生育期の気候が温暖もしくは暑い地域です。オーストラリアのブドウ産地は大部分が平坦地もしくは起伏の緩やかな丘陵地にあり、土壌は砂質やシルト、粘土質のローム層から砂礫層、沖積砂層まで多岐にわたります。

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オーストラリアワイン発祥の地　ニュー・サウス・ウェールズ州(NSW)

オーストラリア最大の国際都市シドニーを有し、オーストラリアのワイン産業の起源となる州。ブドウの栽培は1790年代にシドニー周辺で始まり、1820年代になってハンター・ヴァレーに広がりました。同州のワイン産業は現在もハンター・ヴァレーで盛んです。
良質のワインから酒精強化ワインを含む濃厚な味わいのデザートワインまで多彩なワインが生み出され、現在ではオーストラリア国内の4分の1ほどの生産量となっています。
プレミアムワインの宝庫　ビクトリア州(VIC)

ビクトリア州はプレミアムワインからデイリーワインまで最も多様なワインスタイルを誇ります。
1860年代、ヴィクトリア州は「英国民のブドウ畑」として知られていました。現在では400を超えるワイナリーが存在します。海岸地帯では、冷涼な気候を活かしたプレミアムなピノ・ノワールやスパークリングワイン、内陸部は比較的涼しく乾燥しており、ローヌスタイルのシラーズなどが産出されます。
オーストラリアワインの要　南オーストラリア州(SA)

オーストラリアワインの約半分を産出する、要の州。バロッサ・ヴァレーやマクラーレン・ヴェイル、クレア･ヴァレーやアデレード・ヒルズ、クナワラに見られる由緒ある古いブドウの樹はフィロキセラから守られ、世界で最も古いブドウの樹が現存します。
オーストラリアで一番高価と言われる「グランジ」で有名なペンフォールズもこの州です。気候や土壌が多様性に富んでいるため幅広いスタイルのワインが醸造されており、赤ワインはシラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど、白ワインでは、リースリング、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランやセミヨンなどが造られています。
ボルドーに増して深いカベルネ　西オーストラリア州(WA)

国内ワインのうち5％にも満たない生産量であるものの数々のメダルを受賞するブティックワイナリーの多い高級ワインの産地。ワイン産地は州の南西部と南部に集中しています。
マーガレット・リヴァーはプレミアムワインの生産に適していると特定され、世界的なカベルネや、パワフルでくっきりした味わいのシャルドネが造られます。また、グレートサザンでは爽やかで引き締まったリースリングが造られます。
大気汚染0の冷涼産地　タスマニア州(TAS)

南極から大気汚染を含まない風が吹き込んでくる為、「人が住んでいる地域で、世界一空気が綺麗な島」と認知されている天国のような美しい土地。国内で最も冷涼なワイン産地です。
タスマニア州のブドウ栽培とワイン造りは、ニュー・サウス・ウェールズ州に次いで長い歴史を持っており、冷涼な気候から、エレガントな酸味や繊細なスタイルを持つワインが多く産出されています。ピノ・ノワールとシャルドネの栽培が最も多く、スパークリングワインの優良産地でもあります。アルザス地方のアロマティック品種にも成功しています。