大富豪にして数学の天才がワイナリー再建へ

天才ギャンブラー、デビッド・ウォルシュは1995年にタスマニア州のコール・リバー・ヴァレー地区で管財人による管理下に置かれていた「ムーリラ」を購入し、ワイナリーの再建と一新を目指しています。自閉症であったデビットは、特異な記憶力を持ち、まるで映画『レインマン』のようにポーカーで負け知らずでした。数学の勉強をし、カジノで無茶さえしなければカジノで儲けることは可能だと気づき、莫大な財産を築きました。デビッドはワイナリーを一新させ、ブドウ畑を復活させるために、世界各地で新旧のワイン造りを経験してきた実力者、コナー・ヴァン・デル・リーストを説得し、ムーリラのワイン造りを任せます。デビッドはコナーに「素晴らしいワインを造ればいい」とだけ言いい、現在、コナーはワイナリーの舵を取っています。

「野生児」コナーの考えるワイン造り

カナダ出身のワインメーカーであるコナーは、フランスのラングドックやシャンパーニュ、そしてオーストラリアの主要なワイン産地など世界各地で新旧のワインづくりを経験してきたワイン界の「野生児」と言われています。コナーのワイン造りは新世界の果実味と旧世界の複雑さを合せ持つ味わいに加え、ムーリラのダーヴェント川に沿った氷のように冷たい川風、古代の土壌の特徴を持つテロワールを表現しています。コナーが培ってきた経験とテロワールが明確に表現された作品は、芸術的価値のあるワインとなっています。

魅力的なチケットの訳

アートにも非常に興味を持つデイビットはオーストラリアのタスマニア島に住み、「Museum of Old and New Art」通称MONA新旧美術館を所有。「CULT & SEX」をテーマとしたこの美術館は、いま最もクールな場所と言われています。ワインのラベルにもアート性があり、クールなものが多いのはこの美術館が由来しています。

上級キュヴェ「MUSE(ミューズ)」

こちらは、少量生産で造られるムーリラの上位シリーズMUSE(ミューズ)。お手頃でPOPなエチケットが魅力的なPraxis(プラクシス)シリーズとは対照的に、洗練されたクールでシックな見た目が印象的です。味わいには複雑性があり、ニューワールドらしさとオールドワールドのニュアンスが見事に融合した味わいが楽しめます。