ブリュンデルマイヤーBründlmayer品質を追求するオーストリアのリーダー的存在『ワインプロフェッサー』の異名を取り、研究熱心な事で知られるヴィリー・ブリュンデルマイヤーは、若い頃フランスで修行を重ね、最新の醸造技術を学びました。収得した剪定法やリラ方式(オーストリアでは初めての方法、一本のブドウ樹をY字型に上方に伸ばす事で光と空気の通りをよくし高品質の葡萄を育てる)と呼ばれるブドウ栽培法、無農薬栽培を実践。セラーでは制限的な醸造を行ない最近の傾向としては、ボディのしっかりとした凝縮感のあるワインを造りだしています。近代的な設備を駆使して、洗練された味わいのあるワインを生み出していますが、ヴィリー氏が目指しているのは研き抜かれたハイテクワインの生産ではありません。ブドウ畑とセラーにおける妥協のない品質追求により、世界で競争可能なトップクオリティーのワインを生産することが可能であることを証明し、今ではあらゆる面においてオーストリアのワインシーンにおけるリーダー的存在になっています。 トップクオリティーワインを生産する中核はブドウ畑ブドウ畑は、ウィーンから北西に70km、ドナウ川を上ったニーダーエーステライヒ州カンプタールのランゲンロイスにあり、その畑のほとんどはテラス状で、車が通れるところから離れた場所にあります。ブドウ畑では、緑肥、牛フン、植物の廃棄物のコンポストなどの有機肥料しか使わず、天然資源である土、太陽、水、植物をシンプルにそして賢く使い栽培しているため、化学除草剤は一切使っていません。疲弊したブドウ畑は、樹を伐採して根を掘り起こし、土壌の体力を回復させるため5年間休ませてから、新たにブドウ樹を植える徹底ぶりです。ブドウ畑の周囲には小さな水場を造り、これによって浸食を防ぎ局地気候を改善します。リードラムは石灰を含む、粘土とシルトの上にレスが覆われた土壌です。南向きの斜面で、最も暖かいハイリゲンシュタインの東端と接しているため、ブドウは成熟度と凝縮度が高く、ピノ品種に近い印象を受けます。 最高の区画畑は、カンプタールがドナウタールに向かって南に、扇形に開いている所にあります。西側はクレムスとヴァッハウからの丘陵が続いており、東にはヴァインフィアテルとウィーンへと続いています。地質学上で最も古く、また、最も有名な銘醸畑は「ツェービンガー・ハイリゲンシュタイン」です。この名はランゲロイスの隣の村、ブドウの産地ツェービングに由来しており、その麓でカンプ川は曲がり、向きを南北から東西に向きを変え、ハイリゲンシュタイン山から離れてドナウタールへと流れています。遠い昔から信仰や儀式のための中心地であり、数百年前から中欧において有名な銘醸畑でした。土壌は2億5千年から2億7千年前の砂岩です。最高のリースリングは山頂近く、自然保護地域で育ちます。きめの細かいワインは年を経るほどに熟成し、非常に長熟です。ロイザーベルクとランゲンロイザーベルク・フォーゲルザング畑のワインは、クラシックで輝きのあるミネラリーであるのが特徴です。土壌は痩せた原成岩「ロイスベルガー・ゾイシト‐角閃石」、雲母片岩とロイズベルク石榴石を含むケイ酸塩鉱物の岩石です。ケーファベルクの土壌も同じく痩せた原成岩を、粘土の海底堆積物が覆っています。これによってワインは更に力強く凝縮度が増します。最も重要なグリューナー・ヴェルトリーナーは銘醸畑「ラム」で栽培され、最大の特徴とされる軽さとピリピリ感は控えめになり、あたたかみと力強さと厚みを伴うのが、ブリュンデルマイヤーの真骨頂の表れです。 「ブリュンデルマイヤーのワインは真似することのできない深さがあり、洗練しているという理由 でワイン通から、オーストリアでも最も優れたワインに数えられ、更に、オーストリアで最も長熟のワインに含まれる」と定評のある「オーストリアワイン・ガイドブック」の著者ルドルフ・シュタイラーは書いています。 |
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