クロー・ド・ネルCLAU de NELLルフレーヴの故アンヌ・クロードが認めたロワールの偉大なテロワールクロー・ド・ネルはもともと、2000年代の初めにブルゴーニュ出身のカップル、ネリーとクロードのピシャール夫妻がアンジューに起こしたドメーヌです。 土地のテロワールは申し分なく、ふたりの情熱も熱かったが、残念ながら経済的に恵まれませんでした。2006年はワインが廃棄となり、2007年はウドン粉病にかかって収穫はゼロ。この窮状に手を差し伸べたのがピュリニー・モンラッシェの大御所、ドメーヌ・ルフレーヴのアンヌ・クロード・ルフレーヴです。志しを同じくしながら知名度が低いため、販売面で苦戦する造り手を救済しようと「CLAC」というネゴスを立ち上げたアンヌ・クロード。クロー・ド・ネルもその仲間の一員であったがついに経営破綻し、2008年5月、彼女がこのドメーヌを買い取ることになりました。アンヌ・クロードによる取得後もクロード・ピシャールはドメーヌに雇われていましたが、新しい道を見つけて旅立つことが決まり、2009年、クロー・ド・ネルの支配人としてシルヴァン・ポタンが着任しました。 高樹齢・超低収量栽培ドメーヌは当初、7haの1枚畑でスタートし、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、グロローをビオディナミ農法で栽培。さらに買収後、2.5haほどシュナン・ブランの畑を増やしています。(1haは賃貸耕作で1haは2013年に植え付けたばかり)。現在、リリースされているワインは3種類で、カベルネ・フラン100%のアンジューAC、カベルネ・フラン70%とカベルネ・ソーヴィニヨン30%をアッサンブラージュした「キュヴェ・ヴィオレット」(アンジューAC)、それに樹齢60〜90年という超古木のグロローから造られるヴァン・ド・ペイ・デュ・ヴァル・ド・ロワールです。いずれも収量が少なく、2011年ヴィンテージで25〜30hl/ha。2010年は10hl/haという超低収量でした。 ルフレーヴの古樽を使用樽熟成では、新樽は使わず、ドメーヌ・ルフレーヴで4〜5年使われた古樽を用いています。ワインをグラスに注いだ瞬間、その深い色調に目を剥くかもしれません。 ピジャージュもルモンタージュもほとんどしていないというのが訝られるほどの濃厚さ。いかに凝縮度の高いブドウが収穫されているかが分かります。 ロワールの自然派というと不自然に軽く、薄く、そして不快臭を伴うものが少なくありませんが、それらとは一線を画するワインとなっています。 |
クロー・ド・ネル Clau de Nell
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