秋の訪れを告げ、春の訪れとともに姿を消すチーズすっかり涼しくなり、山のチーズやモン・ドールチーズが美味しい季節になりました。モン・ドールとは、フランスとスイスの国境近く、ジュラ山脈の「モン・ドール(「黄金の山」の意)」という渓谷一帯で、秋から冬の期間のみ生産されるウォッシュタイプのチーズです。ウォッシュタイプと呼ばれるタイプのチーズは、熟成させる過程で、その表面を地元のワインやブランデーなどを使って何度も洗うのですが、モン・ドールチーズは塩水で洗って熟成させるので、ミルク本来の旨味と独自の味わいを持っています。 フランスでモン・ドールの製造が許される期間は、8月15日~3月15日と定められていて、製造元で約4週間、その後チーズ業者で2~3週間熟成させます。そのため、初物が日本に届くのは早くても9月末頃。側面はエピセア(樅の木の一種)という木の樹皮で巻き、更にエピセアの棚の上で熟成させ、出荷する際には、エピセアで作った木箱に入れられるので、香ばしい木の香りが広がるのが特徴です。 表皮の形状の秘密モン・ドールの表皮を見ていただくと、少し盛り上がって波打っていることに気付きます。その形状は一つとして同じ物がありません。ではなぜ、このような形になるのか…それは製造工程の最後に箱詰めを行うからなのです。牛乳に凝乳酵素を入れ、余分なホエーを抜いたチーズはエピセアの樹皮を巻いて熟成工程に入ります。上下をウォッシュし、熟成した後、重量や大きさもバラバラだったチーズ達は一回り小さいエピセアの木箱に入れらます。そのために上部がモニョモニョと盛り上がり、表面にドレープの模様がつくのです。 木箱の大きさより大きい形をしたチーズも、同じ形の木箱に押し込まれるので、波が多いほど元は大きなモン・ドールだったのかもしれませんね! 色々な楽しみ方!お店で販売している物は、殆どがフランスから届いたばかりの若いモン・ドール。チーズもワインと同じく、熟成期間によって様々な味わいを楽しめます。若い熟成のモンドールは生地に弾力があり、ミルクのまろやかな風味が口いっぱいに広がります。逆にしっかり熟成してくると強い匂いもしますが、濃厚なミルクのコクが味わえます。 ショップで購入したモンドールは、是非ご自宅の冷蔵庫で少し熟成させてから召し上がって下さい。そして、モンドールを存分に楽しむには、あわてないことが肝心! 冷蔵庫から出して、常温で30分~1時間くらい置くと、生地が少し柔らかめに味わいがマイルドに変化してきます。 また、そのままでも十分美味しいモン・ドールですが、フランスで最もポピュラーな食べ方でもある、刻んだニンニクと白ワイン・パン粉を入れオーブンで焼いて食べる「フォンドール」もぜひお試しください! 寒い日には特にいいご馳走ですよ♪ |
【秋・冬限定】 モン・ドールチーズ ~言葉を失うおいしさ~
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