アタ・ランギAta Rangiニュージーランドのロマネコンティ!"私の一番好きなニュージーランド・ワインは、おそらくアタ・ランギのピノ・ノワールだろう" クラウディ・ベイの醸造家ケヴィン・ジャッドが、イヴニング・ポストのインタビューにこう答えたことでもわかるように、アタ・ランギは消費者や評論家だけでなく、醸造家からも敬愛されているワインです。 1980年クライヴ・パトン、妻のフィル、クライヴの妹のアリソンと彼女の夫オリヴァー・マスターズの4人によって設立されました。当時はミルク農家で、4.5haしかなかった土地ですが、現在は35haを所有しています。アタ・ランギとはマオリの言葉で、「新しい始まり、夜明けの空」という意味を持ちます。 その後、ピノ・ノワールは瞬く間にニュージーランドのトップ・ワインと評されるようになり、またロンドンで開催される世界最大級のコンテスト、インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティションで、最優秀ピノ・ノワール・トロフィーを3度も受賞しました。これは、同ショー25年の歴史の中でも、類をみない快挙です。5ツ星ワイナリーのアタランギのピノは、まさにニュージーランドのロマネ・コンティなのです! しかしアタ・ランギが優れているのは、ピノ・ノワールだけではありません。クレイグホール・シャルドネ、セレブレといずれも高い品質を誇ります。これら全てのワインに、天然酵母を使用している点は、アタ・ランギの特徴でもあります。 天然酵母は扱いにデリケートさを要求されますが、独特の複雑さと深みある風味を生み出す元となっています。また、サマー・ロゼとピノ・グリは、果実香を重視しながらもアタ・ランギらしい、洗練された味わいで人気を博しています! 新世界で最も尊敬される生産者の一人1979年、大手メーカーのモンタナが国立土壌局に地質調査を依頼し、ニュージーランドで最もブドウ栽培に適した土地を探していた際、マーティンボローが最適であることを示す結果が出ました。 地質調査を担当した、アタ・ランギ、ドライ・リヴァ―、マーティンボロー・ヴィンヤードなどは、当時羊と馬ばかりだったマーティンボローにワイナリーを造ることを決意しました。 かつて、あるニュージーランドの旅行者がロマネ・コンティの畑に忍び込み、違法に持ち帰ったブドウの穂木を、税関職員であったマルコム・エイベルが没収し、こっそり自宅の畑に植え、増やしたたものなのだそうです。クライヴさんがマルコム・エイブルの友人であったため、そのクローンを譲り受けたことから、国内最古の苗木となったのです! 写真は、エイベルクローンの畑です。クレイヴさん、ワイナリードッグのハリー(←めっちゃ賢い!) エイべルクローンはディジョンより熟すまでに時間がかかるので、余韻の長さやストラクチャーが別格のものになるそうです。 「ビッグではないが濃縮した深みのあるワイン」が、アタ・ランギの特徴であり、目指しているスタイ 現在、アタ・ランギの収穫は計55haの畑からなり、その50%は自社畑と、一部リース契約により自社で栽培管理し、収量・品質のコントロールを行なっています。多くの契約畑は、自社畑と同様にシルト粘土質に覆われた水はけのよい土壌で、年間降雨量が平均700mmと少なく、収量は1ha当たり4トンと低収量に抑えられています。平均樹齢は24年で、これらの畑の条件が、アタ・ランギのクオリティの要となっています。マーティンボローとその周辺一帯は、湾から内陸に向かって吹きつける強い風により、春先の開花時期の結実が難しく、他の地域よりも樹1本あたりの房数が非常に少なく、またブドウの実が風から自己防御するように、果皮を厚くし、風味を凝縮させるといわれています。 アタ・ランギでは殺虫剤、化学肥料、除草剤などは使用せず、調合剤やワイルドフラワー、地下の自然の土を掘り起こし散布するなど、サステイナブルと一部バイオダイナミック農法を取り入れています。ワイナリーは国際標準化機構 (ISO) が発行する、環境マネジメントシステムISO14001に認定されています。 ウェリントンで開催された、インターナショナル・ピノ・ノワール2010において、アタ・ランギはNZピノ・ノワールにおける「グラン・クリュ」、「もっとも偉大な成長」と称賛した“Tipuranga Teiteio Aotearoa”賞を受賞しました。それは、同社のピノ・ノワールが長年にわたり、質、評価、知名度において、ニュージーランド国内のピノ・ノワールの発展、成長に大きく貢献したことを表彰したものです。 公式URLhttps://www.atarangi.co.nz/ まさきこ訪問記NZのロマネ・コンティ♪ |
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