マリオン・ペルスヴァルMarion Perseval新たなペルスヴァル日本初上陸となるマリオン・ペルスヴァルは、今やシャンパーニュのスター生産者の仲間入りを果たし、フランス国内ですら入手困難なクレモン・ペルスヴァルの従妹にあたります。 元々、小麦や野菜、小さな葡萄畑をもつ農家に生まれたマリオンですが、農業に興味を持てず会社員としてオフィスワークをしていました。しかし、仕事と職場の人間関係に悩むようになった彼女は、クレモンが葡萄畑で一人で自由に働いていると知り、次第にワイン造りに興味を持つようになります。初めは彼の仕事を手伝っていましたが、やがて仕事を辞め、そこから3年間クレモンの元でブドウ栽培・醸造を学んだ後、2021年に初めて自分の畑からオリジナルのシャンパーニュを造り出しました。 クレモンから醸造・栽培を学ぶ彼女が所有する畑はモンターニュ・ド・ランスのシャムリィ北西部にあるプルミエ・クリュ。緩やかな丘が入り組む複雑な形状が特徴で、クレモンの畑と隣接する区画も。ビオロジックのお陰で根を地中深くまで伸ばした葡萄樹が自然環境に順応し、土地の個性を持った葡萄が得られます。畑は下草が茂り周囲より圧倒的に緑が濃く、夏前に1度だけ刈り込みを行いますが、あとは伸ばしっ放しにするそうです。また、必要がある区画だけ土を掘り起し、それ以外は不耕起という特殊な畑です。マリオン氏曰く、「下草のお陰で畑には鳥や昆虫が多く、ミミズも多くなりました。 均一化された土壌ではなく、不均一な複雑さの土壌が理想なので防虫剤を含め、一切の薬品は使いません」。 古いクローンのムニエ全体で200haあるシャムリィでは昔からムニエの栽培が盛んで、 50%を占めており、今では樹齢も高く、色々なクローンが存在しているので近年注目が集まっています。その中でも特徴的なマリオンのムニエは古いクローンで、粒が小さく、まるで結実不良のように果実の間に隙間が多く収量が非常に少なくなるものの、その分凝縮度が高く、酸度、糖度共に高い葡萄を得ることができるといいます。また、果実間に隙間があるので風が通り、湿気が溜まりません。ベト病に弱いとされるムニエでもベト病に侵されるリスクが低く、そのお陰でマリオンのワインはベト病特有の香とは無縁なのです。 テロワールと品種個性を重視する造り圧搾は4時間かけて果皮、種子からの雑味を抽出しないようにゆっくり行い、デブルバージュ。果皮に付着していた野生酵母のみで発酵。醸造設備やセラーもクレモンと同じ場所を使用しており、彼女自身も「畑もほぼ同じ環境なので、ワインのタイプは(クレモンのものと)似ているかもしれない」と述べています。 クレモンと同じく柔らかさと完熟感がしっかり感じられるシャンパーニュでありながら、近年長い澱との接触で味わいの深さや余韻の変化を追求しているクレモンに対し、シャムリィの個性や品種個性を感じさせるシンプルな醸造方法を採り、よりテロワールを重視したフレッシュで伸びのある素直な美味しさを目指しています。 |
マリオン・ペルスヴァル Marion Perseval
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