シャブリで最注目の若手醸造家

まだ若いエレーニとエドアール・ヴォコレ夫妻がリリースした2013年のシャブリが、フランスの星付きレストランが取り合い、一気に完売したことで、注目を集めています。

エドアールはシャブリの老舗ドメーヌ・ヴォコレの7代目。醸造学校卒業後、ダニエル・バロー等フランス各地の造り手の下で醸造を学びました。その後、伝統的な手法以外の醸造を学ぶためにニュージーランドでも研鑽を積みました。一方、妻のエレーニはオーストリアで有機農法に取り組むユルチッチで働いた後、同じくニュージーランドへ。2人はマールボローのアラン・スコッ トで出会い、偶然共に収穫・醸造を行いました。その後、2人はエドアールの故郷であるシャブリに戻る事を決意。帰国後、エドアールはヴォコレに戻り、畑作業と醸造を学びました。エレーニは、ヴァンサン・ドーヴィサで働きながら有機栽培を学び、経験を積みました。そして、2012年にシャブリで自らのドメーヌを立ち上げました。

現在所有する5haの畑はすべて、エドアールが家族から受け継いだ素晴らしい畑です。ヴォコレ家から譲り受けたのは合わせて4区画。どれも粘土と石灰をバランスよく含む、シャブリの典型的なキンメリジャン土壌。樹齢は35～50年と高く、今一番良い状態になりつつある畑である「ブトー」も含まれています。

まだ手探りの状態でワイン造りをしていますが、すでにフランス国内では高い評価を得ています。2015年春に最初に瓶詰めされた2つのワインは初ヴィンテージとは思えないしっとりと落ち着いたワインに仕上がりました。マスター・オブ・ワインのジャスパー・モリスも「今一番注目すべきシャブリで、遠くない将来にはシャブリを代表する造り手になる」と高く評価しています。