作物本来がもつ「生命力」を重視したビオロジックよりも厳密な有機農法ビオディナミ農法は、土壌と植物、動物の相互作用だけでなく、宇宙の力を土壌に呼び込み、様々な天体の作用を農作物の生育に生かすことを目指しています。「農業暦」にしたがって種まきや収穫、調合剤の攪拌などを行い、また牛の角や水晶粉などの特殊な物質を満月などの定められた時刻に土壌へ加えることで、土壌の改良を目指します。このビオディナミ農法はベースとなるビオロジック農法にさらに2つの条件を加えたものを指し、ビオロジックよりも厳密な栽培方法が定められています。 月と地球の位置関係を記したカレンダーに合わせて農作業を行うビオディナミカレンダーに基づき「月の引力が最も強い満月の時は、収穫はするがワインの瓶詰めはしない」など、ブドウ栽培・ワイン醸造は天体の動きに合わせて最適な作業を行っています。このカレンダーにはこれら天体の動きを元に割り出された「根の日」「葉の日」「花の日」「果実の日」というものがあり、ブドウ栽培者やワイン生産者はそれを参考に作業をしますが、これはワインを飲む日にも適用され、基本的に「根」や「葉」の日はワインを飲むのに適さず、「花」や「果実」の日がいいとされています。少し不思議な感じですが、このように普通のワインにはないユニークな楽しみ方ができるのも自然派ワインの醍醐味のひとつといえるでしょう。 自然由来のプレパラシオンを使用して土壌を活性化ビオロジック農法との大きな違いは、このプレパラシオンと呼ばれる肥料を使用すること。農薬や化学肥料を使用せず、土壌、植物、動物の相互関係の調和を重視し、栄養も循環するのが理想という観点から肥料は牛の角と糞を使って手作りしたり、ブドウの病害にはハーブを煎じた液を散布したりして対処するという特徴があります。こうした施策をとることで農作物や畑の生命力をより高めようという考えに基づいた農法で、かの有名なDRCもこの農法を取り入れています。 ※正確なフランス語は「ビオディナミック」ですが縮めて「ビオディナミ」と言われていることが多く、特に日本では「ビオディナミ」という名称で使用されています。また、英語では「バイオダイナミック」と呼びます。 |
ビオディナミ バイオダイナミック biodynamique biodynamic
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