ドメーヌ・ルフレーヴDomaine Leflaiveブルゴーニュ最高峰の白ワインを醸す大御所ドメーヌピュリニィ・モンラッシェ随一の造り手がドメーヌ・ルフレーヴ。全ブルゴーニュの白ワインにおいて最高の造り手といっても過言ではありません。ドメーヌは1717年に一族の畑を相続したジョゼフ・ルフレーヴが設立し、その2人の息子ジョーとヴァンサンの時代に移り評価を確立しました。ジョーの死後はその息子であるオリヴィエが代わりを務め、1990年になってヴァンサンの娘アンヌ・クロードが参画。オリヴィエが自身のネゴシアン業で多忙となったため、1994年以降はアンヌ・クロード・ルフレーヴが1人でドメーヌの経営にあたっていましたが、惜しくも2015年に逝去され、現在はオリヴィエ・ルフレーヴの兄妹の子供で、オリヴィエや、亡くなったアンヌ・クロードの甥にあたるブリス・ド・ラ・モランディエールがその偉大な功績を引き継いでいます。教師からヴィニュロンに転向したアンヌ・クロードのように、彼も元はインダストリー分野で起業。世界各国に居を置きつつ事業を拡大してきました。3000人を超える従業員を持つ経営者からのドメーヌ参画は異色です。 純粋なビオディナミ農法を実践ルフレーヴで特筆すべきことは、ビオディナミによるブドウ栽培です。ブドウ畑の状態に疑問を抱いたアンヌ・クロードは、地質学の専門家であるクロード・ブルギニヨンの講義を聞いたのがきっかけで、ビオディナミに傾倒。故フランソワ・ブーシェの指導のもと、天体の運行に従って農作業を行い、自然界の物質から作られた特種な調合物で土壌の活性化を図る、ビオディナミ農法を実践しました。ワインの醸造は、歴代の醸造長が指揮をとります。フランソワ・ヴィロ、その息子のジャン・ヴィロと続き、1989年にはムルソーの造り手として高い評価を得るピエール・モレが後を継いでいます。彼はおよそ20年間にわたりルフレーヴのワインの品質をさらなる高みまで向上させた後、2008年にそのバトンを若手のエリック・レミーへ渡してドメーヌを去りました。2009年からは「ルフレーヴ・エ・アソシエ」の名前のもと、買いブドウによるワインを少量生産していますが、ネゴスといってもブドウ栽培からルフレーヴのスタッフが携わり、栽培方法もビオディナミ農法が実践されています。なお、ルフレーヴ・エ・アソシエのワインには赤ワインもラインナップされています。さらにドメーヌはロワールの「クロー・ド・ネル」を買収。アンジューのほか、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、グロローからなるヴァン・ド・ペイやヴァン・ド・フランスを手がけています。 ◆ビオディナミとは◆ ルフレーヴのラインナップルフレーヴはピュリニィ・モンラッシェにおよそ25haものブドウ畑を所有する大ドメーヌであり、その大部分をグランクリュとプルミエクリュが占めています。プルミエクリュのクラヴォワヨンにおいては、クリマの総面積5.6ha中じつに約4.8haを所有する半ば独占状態。グランクリュのシュヴァリエ・モンラッシェにおいても、1ドメーヌの所有面積としては2番目に大きい、7.4haのうち2haを所有しています。このシュヴァリエ・モンラッシェの評価があまりに高いため、「ルフレーヴにモンラッシェは必要なし」と言われていましたが、1991年、ついにモンラッシェを入手。面積は約0.08haに過ぎず、毎年1樽造るのがやっとの希少さです。また、ルフレーヴはピュリニィ・モンラッシェとムルソーに挟まれたブラニー村にも畑を所有し、ドメーヌ唯一の赤ワインを醸造していましたが1995年に一部をシャルドネに植え替え、2000年にムルソー・プルミエ・クリュ・スー・ル・ド・ダーヌとしてリリース。2004年に残りの区画もシャルドネに植え替えたため、現在、ドメーヌのラインナップに赤ワインはありません。さらに2004年、南のマコネ地区に9.33haの畑を取得。同じ年からマコン・ヴェルゼとして醸造を始めました。入手の難しいルフレーヴのラインナップの中でも比較的生産量が多く、価格も手頃なため人気のキュヴェとなっています。 ルフレーヴのワインはいずれのクリマもテロワールをありのままに表現したもので、過熟感や過剰な樽香とは無縁なスタイルをとります。ムルソー・スー・ル・ド・ダーヌやピュリニィ・モンラッシェでも、クラヴォワヨンのように比較的若いうちから楽しめるクリマもありますが、ピュセルやシュヴァリエ・モンラッシェは、鋼のように強靭なミネラルが落ち着くまでに長い年月を要します。しかしながら待てば待った分だけいざ開けた時の感動は大きく、この感動が世のルフレーヴ・マニアを虜にして離さないのです。2020年にはさらに畑を拡大し、オート・コート・ド・ボーヌにも進出。ますます活躍の場を広げる要注目のドメーヌです! ブルゴーニュの多様性を表現する新プロジェクト「エスプリ・ルフレーヴ」エスプリ・ルフレーヴは、シャブリからプイィ・フュイッセまで、パートナーの農家と提携して、ブルゴーニュの多様性を表現する新プロジェクトです。従来あったネゴシアンブランドの「ルフレーヴ・エ・アソシエ」はこれ以上拡大せず、エスプリ・ルフレーヴのアイテム数を順次増やしていく予定。 このプロジェクトは、2017年、ピエール・ヴァンサン氏がドメーヌ・ルフレーヴの支配人兼醸造責任者に就任したことから始まりました。ヴァンサン氏は前職時代からバイオダイナミックで育つピノ・ノワールから素晴らしい赤ワインを数々醸造してきました。その腕前を活かさないでいるのはしのびなく、白ワインのみのドメーヌのポートフォリオに、ネゴシアンの赤ワインが加わりました。 初ヴィンテージとしてリリースされるのは2018年のワイン。いずれもオーガニック、またはバイオダイナミックで栽培している栽培者から買い付けたブドウを元に、ルフレーヴの醸造施設にて醸造。収穫の段階からドメーヌのスタッフが携わっています。どのキュヴェも300~5,000本の少量生産です。 |
ドメーヌ・ルフレーヴ Domaine Leflaive
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