フィリップ・シャルロパンPhilippe Charlopinフィリップ・シャルロパンは、若い頃はブルゴーニュのワインはあまり好きではなかったそうです。「薄くて甘くて酸っぱくて、なんだかいまいち」そう思ってボルドーのワインばかり飲んでいたそうです。そんな彼は1本のワインと1人の人物に出会い、ブルゴーニュワインの真実の姿を知り、自分もそんなワイン造りを しようと目覚めるのです。 彼を目覚めさせたワインを造った人物、それはブルゴーニュのワイン造りの神様とも言われているアンリ・ジャイエ。彼はワイン造りを極める一方で、若手の育成にも積極的でした。メオ・カミュゼ、エマニュエル・ルジェ、フーリエなど、アンリ・ジャイエが育てた若者達は、今ではブルゴーニュを代表する偉大な造り手になっています。 父・フィリップは初めの頃はワイン造りの途中でアンリ・ジャイエのアドバイスを聞きながら造り、それでも完成したワインを持っていくとまた意見を言われてより頑張ろう、と思ったそうです。最終的には、ワイン造りの途中では意見を聞かずに造ったワインをただ持っていきます。そして嬉しいことに、師匠ジャイエがそのワインを飲んで「まさに私が言いたかったように、そのとおりに造っているな」と言われたことだとか! 一切手を抜かずに、妥協を許さずに真面目にワイン造りに取り組む彼は、ロワールのディディエ・ダグノーとも仲良しだそう。ワイングロッサリーにご来店時には「あ、ディディエのワインあるね! あ、この生産者も友達なんだ。とてもいいヤツだよ」と友達のワインを見つけては喜んでらっしゃいました。 日本にきてワインの状態をチェックして、正規輸入代理店から購入したワイングロッサリーのワインの保管状態はパーフェクト! 自分のうちのセラーで飲むのと全く同じだ、とお墨付きをいただいております シャルロパンの歩み父・フィリップは22歳のときに1976年に父から継いだ1.5haの畑を少しずつ買い足していき、今では25haもの畑を所有するようになりました。当時若者だった彼にとって大成功ともいえます。 若いうちから壮麗なスタイルが熱狂的なファンを産み出し、多大な人気と成功をもたらしたのですが、かつてよりぐんと果実味が綺麗になり、旨味の詰まった「衝撃的な果実味」で多くのファンの心をつかんでいます。 ワイン造りの拠点をマルサネ村からジュヴレ・シャンベルタン村に醸造所へと移し、今はブロションにある広大かつモダンな建物に移っています。 シャルロパンの栽培・醸造畑は多くのブドウ樹が古樹のため自然に収量がおちます。リュット・レゾネ(減農薬栽培)で耕作されており、有機農法への転換にも興味があります。除草剤や化学肥料も使用せず、自然で健康的なブドウを育ています。 アンリ・ジャイエの教えをただ継続しているわけではありません。 自分の理想とする自然で果実味ののったワインを造り出すために年々進化しています。 厳しく選別された果実は、発酵・マセラシオンのプロセスで自然に抽出が行われるようにし、収穫年や銘柄に応じてピジャージュやルモンタージュを実施します。今では除梗も100%行います。 ほとんどのワインが50~70%、グランクリュで100%新樽使用しています。樽熟成中は澱引きをせずに瓶詰前に軽い濾過を行います。若いうちは、樽のニュアンスが果実味に完全には溶け込んでいない面もありますが、それでもパリゾの特徴は、溢れんばかりの果実味を活かした若いうちからの親しみやすい風味です。 グランクリュや村名ワインは飲むまでに数年寝かせたいですが、ACブルゴーニュクラスでしたらすぐに飲んでもおいしくお召し上がりいただけます♪ 近い将来消えゆく、19世紀以前のブルゴーニュワイン19世紀頃、フィロキセラ(ブドウ根アブラムシ)という害虫によるの影響で、ブルゴーニュでもほとんどのブドウが壊滅状態となりました。 そこで多くの産地で、フィロキセラに強いアメリカ産ブドウ樹の根に、フランス産ブドウ樹を接木したものが栽培されるようになりました。しかし、このワインは接ぎ木をしていない純粋なフランス産ピノ・ノワールのみで造られ、19世紀以前に造られていた、真のブルゴーニュ・ワインを味わえるのです! しかし、ブドウの樹はデリケートで弱く、このキュヴェが造られなくなる日も近くなってきました。今でも1樽だけ! まさに消えゆく運命にある真のブルゴーニュの味。ブルゴーニュがお好きな方の記憶に残るワインとなりますように。 |
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