テタンジェの象徴、ラ・マルケットリー城

ランスに本拠を構えるシャンパーニュ・テタンジェは、1734年創立のフルノー社をその起源としています。第一次大戦時、フルノー社所有のシャトー・ド・ラ・マルケトリーに駐留していたピエール・シャルル・テタンジェは、この城をたいへん気に入り、戦後になってまず城を、続いてフルノー社そのものを買い取りました。1930年からテタンジェを売り出すようになって以来、一貫して家族経営を貫く、希少なシャンパーニュのグラン・マルク・メゾンです。

ローマ帝国時代からの歴史をとどめる地下セラー

おいしさの鍵は、広大な自社畑と立派な地下セラーにあります。白亜質石灰石が切り出された後にできた地下洞は、一時はキリスト教徒が迫害を逃れるための隠れ家ともなり、約900年の後にサン・ニケーズ修道院の地下礼拝堂となりました。

13世紀に新しい聖堂に建て替えられた際、地下に残された回廊は、ベネディクト派の修道士達がシャンパーニュの貯蔵庫として使用するようになりました。ひっそりと涼しく、程よい湿度の中、何百万本ものシャンパーニュが、熟成の頂点に達する時を待ちながら眠っています。

コート・デ・ブランのシャルドネが特徴

合計288haに及ぶ34区画の自社畑を所有します。高い自給率こそがブドウの品質をよりよくコントロールし、揺るぎない品質を確立しています。また、自社畑のブドウを補うため、優良な畑を所有する栽培者と長期契約を結んでブドウを購入しています。

グラン・クリュ格付けのシャルドネが集中するコート・デ・ブランのブドウを最も多く使っているのがテタンジェ社の特徴の一つで、このことが、シャンパーニュ・テタンジェのスタイルを雄弁に語っているといえます。シャルドネの比率が高いので非常にエレガント、お食事に合わせやすいシャンパーニュです。

洗練を極めたコント・ド・シャンパーニュの誕生

従来のシャンパーニュの、甘口で重たいスタイルを離れ、1952年、現代的で洗練された味わいのグランクリュのシャルドネ100%シャンパーニュを造りました。それが、コント・ド・シャンパーニュ・ブラン・ド・ブラン！　特別なヴィンテージに、コート・デ・ブランのグラン・クリュの畑で収穫されたシャルドネだけでつくられるヴィンテージ・シャンパーニュで、従来のピノ・ノワールとシャルドネのブレンドを重視してきたシャンパーニュの伝統を打ち破るものでした。

この、テタンジェの至宝ともいえるコント・ド・シャンパーニュのボトルの形は、フランス革命の直前まで修道士達が使っていたボトルと同じものです。

「コント・ド・シャンパーニュ」とは「シャンパーニュ伯爵」を意味し、シャルドネ品種の祖となるブドウの苗木を持ち帰ったといわれるチボー４世に敬意を表して名づけられました。テタンジェのマークにもなっています。