ルドルフ・フュルストRudolf Fürst「ドイツのピノマジシャン」の異名をもつピノのスペシャリストジルヴァーナーなどの辛口白ワインが著名な産地フランケン地方。フランケン地方の中でも西側に位置し、マイン川の支流、エルフ川に面した産地ビュルクシュタットにフュルスト醸造所はあります。あのジャンシス・ロビンソン女史やシュチュワート・ピゴット氏などに絶賛され「フュルストはドイツのピノマジシャン」、「ブルゴーニュはビュルクシュタットにあり」と評され、今や世界のピノ・ノワール好きの間では知らぬ者はいない存在となりました。 1代で名声を築いた父に続き、天才と呼び声の高い2代目当主フュルスト醸造所前当主パウル・フュルスト氏は1971年、若干16歳でシュロス・ヨハニスベルクにて研修を終え、これからという21歳の頃、当時2ha規模のフュルスト醸造所の当主であった父を亡くしたことで急遽、醸造所の後継ぎになりました。その後、モニカさんと結婚し、独学でワイン造りを学びました。イギリスで大きく評価されたことをきっかけに、国内外でゆっくりと評価を高めていき、5ツ星生産者はおろか2003年ゴー・ミヨ誌にて最優秀醸造家に選出されました。 2010年頃からすでに醸造に携わっていたパウル氏の息子セバスチャンが2019年より正式に当主となりました。ドイツの著名な醸造所を渡り研修生だった時代から、ドイツワイン業界では「とんでもない若手がいる」と噂になっていたほどの天才的センスの持ち主。セバスチャンの造るワインのスタイルは、父パウル氏のスタイルを踏襲しながらも、より洗練されエレガントになっています。セバスチャンもまた、多くの評論家から絶賛され、2018年ファルスタッフ誌にて最優秀醸造家に選出されています。2019年には、VDP(ドイツ高級ワイン生産者連盟)からビュルクシュタットのツェントグラーフェンベルクを著名にしたことも表彰されたフュルスト醸造所。今や、2haだった所有畑は22haにまで拡大し、シュペートブルグンダーの歴史にその名を刻み続けています。 赤色砂岩土壌フュルスト醸造所の所在地ビュルクシュタットはマイン川の支流エルフ川に面し、シュペサート山地とオーデンヴァルトに挟まれた盆地で特殊なミクロクリマを生み出しています。そして、フュルスト醸造所を語る上で欠かせないのが赤色砂岩土壌。三畳紀の初期に形成された酸化鉄を含む土壌は、名の通り赤褐色をしており、古くから建造物の石材として多く使用されてきました。赤色砂岩は保温性があり、通気性が良く、とても水はけが良いためブドウに適度な負荷がかかり、より凝縮した上質なブドウが収穫できます。ワイン造りにおいて、とても理想的な土壌ではありますが、ブドウに過度なストレスがかかりやすい為、管理するのに非常に手間のかかる土壌でもあります。 |
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