モリッツMoric世界に誇れる唯一無二の赤ワインを目指してローラント・フェリッヒ氏はノイジードラーゼーでも有名なフェリッヒ醸造所の跡取りとして、弟と一緒にワインを造ってきました。醸造所の主力ワインは樽熟成のシャルドネや貴腐ワイン。和食が好きで、素材の味を生かしたお料理に寄り添うようなワインを造りたかった彼は、ブルゴーニュ、北ローヌなどの優良生産者を渡り歩き、どの地域の模倣でもない、オーストリアが世界に誇れる赤ワインを造ろうと決心し、2001年に独立しました。ミッテルブルゲンラントのネッケンマルクト村にあるブラウフレンキッシュの古木の畑を畝ごとに交渉して譲り受け、醸造所も借り物としてスタートしました。植え替えをせず、畑を整備・緑化し、土地の個性を最大限に引き出すべく、収量を抑えたほか、過度な色の抽出を嫌い、果実のボリュームだけではなく、酸とのバランスを重視した彼のファーストヴィンテージは、当時フルボディの赤ワインがあふれていたオーストリアの市場から見向きもされず、酷評されました。そんな世間の逆風にも臆することなく、切磋琢磨しながら高品質なブラウフレンキッシュを造り続け、ターゲットを国外に変えてアプローチを続けたところ、今までのオーストリアになかったエレガントな味わいが注目され、オーストリア赤ワインのトップ生産者となりました。 フィネスとエレガンスを追求したブラウフレンキッシュ古木を尊重し、平均収量は35hl/ha。あくまでもフィネスとエレガンスを追求する彼は、小樽、新樽をほとんど使用しません。その全てはノンフィルター、天然酵母で発酵しています。畑は今では自己所有の部分も多いですが、いまだに離れた区画を多数借り受け、醸造所の訪問はほんの一握りの人間しか許されていません。土地の味わいを最大限に尊重した造りで、その土地のものを「何も足さない、何も引かない」ナチュラルなワイン造りをモットーとし、その自然体ながらもエレガントで優しい味わいに世界中が虜になっています。 |
モリッツ Moric
絞り込み