フランス出身のオーナーが手掛けるクロアチアワイン

ピクェントゥムは2004年、フランスのジュランソン出身のディミトリ・ブレチェヴィッチ氏により設立されました。ブレチェヴィッチ氏はボルドーで醸造学を学び、ペサック・レオニャンのトップシャトー「ドメーヌ・ド・シュヴァリエ」で経験を積み、さらにオーストラリア、ニュージーランド、ボルドー、ブルゴーニュでも収穫を経験した後、彼の父の故郷のイストリアで情熱を持ってワイン造りを開始しました。ピクェントゥムは古代ローマ語で絵画のように美しい丘の上の街、ブゼットを意味します。

現在ワイナリーとして使用されているこの施設は、1928年にムッソリーニ政権の下、貯水槽として建設されました。第二次世界大戦後は核シェルターとして改造され、もしもの場合の高級将校たちの隠れ場となる予定だったため、森深い丘の下、15m以上深く掘られた場所に位置し、分厚い壁で覆われています。そのため、自然と暑さから守られており通年を通して気温が10～11度に保たれています。この条件は熟成には最適ですが、自然発酵を促すには寒すぎるため外気を取り込むファンを使用し、室温が約14度になるよう管理されています。こうしてピクェントゥムのワインは一切の培養酵母やバクテリア、酵素などその他の添加物を添加することなく野生酵母のみで発酵を行います。

「僕は、ワイン造りにはもっと時間をかけるべきだと信じているんだ。そうすることで第2、第3のアロマがさらに良いものになっていけるんだ。ブドウを、テロワールを、そして飲む人を理解し、そして何が真実なのかを見分ける努力をしなくてはいけないんだ。僕はこの土地の本当のキャラクタ―を見いだしたいんだ。」と生産者ブレチェヴィッチ氏は語っています。