類稀なる感性の持ち主「マルセロ・レタマル」世界の著名ジャーナリストやマスター・オブ・ワインの世界で「世界最高の醸造家」の1人と称されるマルセロ・レタマル、愛称 “レタ”。2004年、2005年には「チリ最優秀醸造家」に輝き、2015年には「デカンター誌」において世界最高の醸造家に選出。ワイン・アドヴォケイトの「チリ最優秀ワイン」に選ばれるなど、世界から注目を集める造り手です。フランシスコ・ベティッグが「天才的醸造家」とすれば、マルセロはブルゴーニュのノエル・ラモネのような「情感的・感覚的」な造り手。五感を超越した感性を持って、誰もが想像だにしない美の世界をワインに表現する才能を持っています。(画像:日本のMW大橋健一氏も訪問されています) 彼は「デ・マルティノ」のチーフワインメーカーを務めながら、2010年、チリ最北端のエルキ・ヴァレーに自らのドメーヌを構えました。ブドウにとって最高の条件に加え、標高2,200mの天に広がる青い空(年間300日晴天)、無数に輝く星の光、澄み渡る空気、大自然の静けさ、控え目で物静かな人々、特別なエネルギーを感じさせる大地、というアルコウアス村がもつ「世界にも類のないテロワール」に惹かれた彼は、ローヌの偉大なワインに比肩する「奇跡のシラー」を生み出すこととなるのです。 地中海高貴品種に最適な天空のテロワール「エルキ・ヴァレー アルコウアス村」サンティアゴの北600km、ピスコの一大生産地として知られるチリ最北部のヴァレー「エルキ」。畑は、アンデス山脈中腹、世界でも最も高い標高2,200mの場所にあります。赤道に近いため日照は強いですが、高い標高による朝晩の冷え込みと山風により、真夏の平均最高気温も約28℃と冷涼。また、99%が安山岩(火山岩)の土壌と言われるアンデス山脈において、アルコウアスの土壌は石英を多く含む「花崗岩」土壌であり、ワインには優れたミネラルが与えられます。 また、年間降水量が僅か90mmということから、この土地でワイン用のブドウは栽培されてきませんでしたが、アンデス山中で発見された1万年前の巨大な氷河により、灌漑用水として使用することができたのです。まさに自然界の奇跡によって生み出された神秘のテロワールが「アルコウアス村」なのです。 昔ながらの栽培とブドウ本来の個性を活かす醸造シラーを中心に195haの畑を所有。アンデス山中を切り開いた急斜面ばかりのため、トラクターでは登れず、馬による耕作など人の手による昔ながらの方法で行っており、栽培においても、除草剤や防カビ剤を一切使用しない自然な栽培をしています。石英の含有量が多く粘土が重すぎない土壌にシラーを植樹し、その他、グルナッシュ、マルベック、プティ・シラー、プティ・ヴェルド、カリニャンなどを栽培しています。 発酵は全て自然酵母を使用。酸化しやすいグルナッシュ以外は、この土地にある花崗岩で作られた「ラガール」により破砕・発酵を行い、グルナッシュは密閉式のコンクリートタンクで発酵・熟成を行います。人の足で踏むことによる昔ながらの自然な破砕は、果汁を優しく抽出できるだけではなく、ワインにテンション、滑らかさ、バランスの良いタンニン、自然な酸がもたらされるとマルセロ氏は考えています。さらに、抽出が強くならないよう長いマセラシオンはせず、重すぎない自然な味わいのワインに仕上げています。 醸造にはコンクリートタンク (6,000L)、コンクリート製エッグ (1,600L)、フードラ(2,500L)を使用。 自然界に鋭角的な角のある容器状のものは存在しないことから、天井と角の尖ってないコンクリートタンクなど、柔らかな自然の対流が発生する丸い容器を使うようにしており、熟成はブドウ本来の個性を活かすため、シラーにはフードラ、グルナッシュにはコンクリートタンクやコンクリート製エッグなど、品種によって容器を変えて行っています。亜硫酸添加も50mg/L以下とごく少量です。 |
アルコウアス Alcohuaz
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