イナシオ・ウルソラInazio Urruzola3ツ星レストラン御用達!極上のガストロノミック・チャコリ14世紀から続くバスク地方の旧家であるウルソラ家は、古くから農業を営み、代々バスク地方の名産である「シードラ」を造ってきました。現当主チャビイ・ウルソラ氏は、かつてシードラ用にリンゴを絞っていたセラーで妻のガラチ夫人と共にチャコリ造りを行っており、バスクTOP3に入る生産者としても知られています。所有する僅か8haの小さな畑は最も冷涼なチャコリのDO「ゲタリアコ」に位置していますが、冷気を遮る山々に囲まれているため、ブドウがしっかりと熟す恵まれたテロワールにあります。 酸と糖のバランスに秀でたハーモニー豊かなチャコリは、ベーシックキュヴェの価格帯ながらスペイン料理界の巨匠が率いるバスクの3ツ星レストラン「アルサック」のハウスワインとしても振舞われており、まさに極上のガストロノミック・チャコリと呼ぶにふさわしい逸品に仕上がっています。 最も冷涼ながらもブドウがしっかりと熟す恵まれたテロワールゲタリアコ(海側)アラバコ(内陸部)ビスカイアコ(海側~内陸部)の3つのDOで知られるチャコリ。中でも1989年初めてDOの認定を受け、チャコリ生産の中心地として知られるのがゲタリアコです。イナシオ・ウルソラは、バスク随一のリゾート地として知られるサン・セバスチャンの南27km、DOゲタリアコのアルキサ村にボデガを構えています。ゲタリアコは最も海側にあるDOのため、大西洋から吹く冷たい風の影響を最も受ける地域。夏の最高平均気温も約25度と涼しく、年間降水量も1,500mm前後と雨が多く湿度が高いことが特徴です。酸がしっかりとした、海風がもたらす塩味のあるミネラリーで爽やかなチャコリが魅力である一方、時に尖った酸が強すぎるチャコリも多くみられます。イナシオ・ウルソラは海から直線距離で僅か5kmの場所に位置していますが、 海から向かって山を1つ越えたアラナ・ヴァレイにあります。冷たい海風は山肌で遮られ、ダイレクトに吹き込まないため、ブドウがしっかりと熟すミクロクリマに恵まれています。 降水量が多く湿度が高いためビオロジック栽培を行うのは至難を極めますが、所有畑は僅か8haと小さいため「庭の手入れのように1本1本の木に手をかけて大切に栽培したい」というチャビイ氏 。降水量が多く土壌に湿気がたまり、病害が発生しやすいことから一部の畑は伝統的な棚式での栽培を行っています。また、畝の間にも草を生やすなど自然栽培にとって重要な施策も実施。草が土壌表面の水分や養分を吸収することでブドウとの競争環境が生まれ、ブドウの実は小さくなり、凝縮度の高いブドウとなります。また、粒間が広くなり通気性が良くなるため、腐敗果が生じにくいことも効果の1つです。さらに、ブドウは土壌表面ではなく地下へと根を伸ばし始め、地下深くのミネラルを吸収することで、ブドウの味に複雑味を持たせることができます。結果的にワインの味も複雑味を増し、深い味わいとなるのです。畑は主に日照時間が最も長く日照量が豊富な南西向きのため、冷涼で雨が多い環境下でもブドウはしっかりと成熟します。また、大部分が水はけのよい急斜面にあるため、水膨れせず、凝縮度の高い上質なブドウが育まれることもこのテロワールの特徴です。 イナシオ・ウルソラのワイン造りの特徴ボデガでのワイン造りには大きく分けて4つの特徴があります。1つ目は、複数の品種をブレンドすること 。オンダラビ・スリ1品種で造られるチャコリには尖がった酸ばかりが目立つものが多いという考えから、他の品種をブレンドすることで果実のボリューム感、味わいの複雑さを表現し、丸みのあるハーモニー豊かなチャコリを造りだしています。2つ目は品種毎に丁寧に小さなタンクで仕込むこと。3つ目は区画毎に丁寧に小仕込みすること(トップキュヴェ)。4つ目はシュール・リーでの長い熟成。 一般的なチャコリは2カ月間熟成するのに対し、イナシオ・ウルソラの場合はベーシックチャコリの場合4カ月間熟成、トップキュヴェの場合12カ月間もの熟成を行っており、これはワインとしてしっかりとした味わいのチャコリを造るためです。シュール・リーでの長い熟成によって、味わいの厚みや複雑性、旨味が増し、自然がもたらすキリッとした酸やフレッシュ感とバランスしていきます。一般的なチャコリは瓶詰め1年以内の若い状態で楽しむことを推奨していますが、イナシオ・ウルソラのチャコリは2~3年後もスティルワイン同様に熟成感を楽しめることが特徴です。 |
イナシオ・ウルソラ Inazio Urruzola
絞り込み