ブリュノ・クレールBruno Clair伝説の名門ドメーヌ、クレール・ダユを彷彿とさせる造り手コート・ドールの最北端に位置するマルサネのアペラシオンの中で、最も注目すべき生産者がブリュノ・クレール。マルサネ・ロゼを生み出した祖父のジョゼフ・クレール率いる大ドメーヌ「クレール・ダユ」に生まれたものの、遺産相続の問題から所有するブドウ畑をルイ・ジャド社に売却してしまいます。しかし、ジョゼフの孫にあたるブリュノ・クレールは、1978年に自身のドメーヌを発足させ、ブドウ畑を広げることに成功。発足時に所有していた畑はマルサネとフィサン、それにサヴィニーのドミノードとモレ・サン・ドニのアン・ラ・リュー・ド・ヴェルジィ。このアン・ラ・リュー・ド・ヴェルジィはボンヌ・マールとクロ・ド・タールの真上にある標高300m以上の高地にあり、荒れ地となっていたのをブリュノが整備し、ブドウを植え付けた畑です。90年代に入ってはさらに畑を増やし、現在、所有する畑はマルサネからペルナン・ヴェルジュレスまで、合計25haの規模にまで発展しており、今日ではかつてのクレール・ダユを超えるともいわれる高評価を獲得しています。 南北に28のアペラシオンを所有ブドウ栽培はリュット・レゾネで行われています。手摘みで収穫されたブドウは部分的に除梗(0~10%)。必要に応じて低温マセレーションを行い、自生酵母による自然発酵を待ちます。樽熟成はクリマとヴィンテージにもよりますが、平均16~22カ月間。新樽率は20~50%で、グランクリュであっても100%ということはありません。ステンレンスタンクの中で1年間寝かされるマルサネ・ロゼの素晴らしさはいうまでもなく、このロゼはブルゴーニュの名物料理ジャンボン・ペルシエと相性抜群です! また、昨今人気が急上昇しているマルサネの赤ワインでは、将来1級に認可される可能性のあるランジュロワが特に素晴らしくお値打ち。このクリマの一部には樹齢70年を超える古樹が植えられています。ドメーヌはジュヴレ・シャンベルタンにも数々のクリマを所有。特級のクロ・ド・ベーズに加え、1級畑クロ・デュ・フォントニ(モノポール)、プティット・シャペル、カズティエ、そしてクロ・サン・ジャックを所有しています。ジュヴレ・シャンベルタンらしい力強く豊かな風味が特徴で、若いうちからも楽しめますが、長期熟成のポテンシャルも秘めています。28のアペラシオンを南北に離れて所有すると、どうしてもどこかが手薄になるものですが、ブリュノ・クレールの偉大さは、どのアペラシオンも完璧に仕上げられていること。本拠地マルサネから離れたペルナン・ヴェルジュレスやコルトン・シャルルマーニュの白ワインも、驚くほどに洗練され、テロワールの正当性を表現しています。2012年からは息子のエドゥアルドがドメーヌに参画。2015年ぐらいからエドゥアルドが醸造を担うようになり、少しづつワイン造りが変わってきています。さらに2018年からはもう一人の息子アルテュール、最近になり娘マルゴもドメーヌに参画し、家族一丸となってさらなる品質の向上に邁進しています。 |
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