しなやかでエレガントなスタイルを兼ね備えたバローロ

カンティーナの歴史は19世紀初頭、現在のオーナーであるレナート・フェッレーロ氏の祖父がラ・モッラ村のアンヌツィアータ地区でワイン造りを始めた頃にさかのぼります。彼らはその当時から高品質のネッビオーロ種のワインを瓶詰めしていました。古くは1933年に受賞歴が残っており、ここが銘醸地であることを物語っています。 その後、フィロキセラや第二次世界大戦により畑は壊滅的な被害を受けましたが、レナート氏の父親であるロレンツォ氏がアメリカ台木で接ぎ木を行い、再びネッビオーロ種から素晴らしいワインを造ろうと植樹を開始しました。

しかし、父ロレンツォ氏は1966年に急逝。復興に向けて動き出したばかりでした。この頃から海外でもバローロの名声が確固たるものとなり、 若いレナート氏は父の意思を引き継いで全身全霊をかけてワイン造りに取り組む決意をしました。現在では妻ニーナも加わり、レナート氏を支え、家族でワイン造りをしています。

ラ・モッラ村はバローロの村々の中でも起伏に富んだ地形で様々な環境に恵まれています。造られるワインは、バローロらしいしっかりとした骨格があるばかりではなく、他の村にはない、明るさと華やかさがあります。一般的なバローロは、男性的な力強いワインのイメージですが、ラ・ モッラ村には豊かな芳香があり、しなやかでエレガントなスタイルも兼ね備えています。その中でもフェッレーロ家が所有するわずか0.5haのみの南向きのマンゾーニの畑は、顕著にこの特徴が現れているといえます。レナート氏は「私のバローロは伝統的であり、新しいトレンドや流行には流されない。」と、強い意志を持ち、妥協しないラ・モッラ魂を感じさせるバローロを造り続けています。長期熟成により、さらに複雑に、そして妖艶な色気を感じさせるバローロです。