元モンダヴィの醸造責任者が送り出すガレージ･ワイン

マッケンジー=ミューラーは、ロバート･モンダヴィで醸造責任者を務めていたボブ･ミューラーが、1989年に妻カレン･マッケンジーとカーネロスに興した極小規模の生産者です。ボブはナパ･ヴァレーの農家で育ち、父親は60年代からラザフォードにブドウ畑を所有し、ナパ･ヴァレーのワイナリーにブドウを販売していました。小さい頃から父の畑仕事の手伝いをしていたボブは次第にワイン造りに興味を抱き、栽培･醸造を基礎から学ぶため、UCデイヴィス校へ進み、修士課程を修了しました。かねてから父親とロバート･モンダヴィが親交が深かったことから、ボブは1980年にモンダヴィの醸造担当として迎えられ、約10年間にわたりブドウの買い付けから醸造まで深く関わりました。その後、醸造コンサルタントを務める傍ら、1989年にカーネロスに念願のワイナリーを設立しました。2000年には、ワイン＆スピリッツ紙「エステート･ワイナリー･オブ･ザ･イヤー」を受賞。現在、ボブの娘サマンサがワイナリーの指揮を執り、父と共に小規模生産のもと、栽培から瓶詰まで一貫した自社生産を守り続けています。

自社畑オーク･ノルとカーネロスの身上

マッケンジー=ミューラーの２つの自社畑はナパ市の北、オーク･ノルにあるビッグ･ランチ･ロード･ヴィンヤードと、ワイナリーの所在地であるカーネロス(ラス･アミガス)にあります。肥沃な深いローム質土壌のビッグ･ランチ･ロード･ヴィンヤードは、1979年に植えられたカベルネ･ソーヴィニヨンとカベルネ･フランがマッケンジー=ミューラーの赤ワインの核を成し、一方でカーネロスの畑は水はけのよい砂質粘土質で、シャルドネとピノ･ノワール、主にメルロー、プティ･ヴェルド、マルベックが植えられてます。オーク･ノルの力強く豊潤な果実と、カーネロスの香り高く、酸が豊富なブドウをブレンドすることで、緻密で調和的なワインが生まれます。