マヒMahi単一畑でマルボローの個性を取り戻すワインメーカーのブライアン・ビックネル氏は15ヴィンテージを世界の様々なワイン産地で携わり、中でも一番多くの時間をマールボロの葡萄を使用したワイン醸造をしてきました。 ボルドーのChateau Senejac、ハンガリーのNagyrede Wineryにて就労、NZのバビッチ・ワインで経験を積み、1994~1996年にはチリのエラスリスでチーフワインメーカーとして英国への輸出量をチリワインで1番に押し上げます。1996~2006年まではセレシン・エステートでワインメーカー兼ジェネラルマネージャーとして40000ケースを生産するワイナリーにまで仕立て、2006年には完全に他社での仕事は退き自身のワイン作りの為だけに時間を費やすこととなります。 これらの経験の中でブライアンは世界市場でニュージーランドの中でもマールボロ地区のワインで区画によるワインの個性・テロワールをワインで表現することに決意しました。 マールボロのワインは異なった地域の葡萄をブレンドされることが多く、海外のメディアは『マールボロは個性を失いつつあり、ほとんどのワインは同じ味』とコメントされ始めていました。マールボロの土地でワインの個性が表現されるべきと単一畑でのワイン造りを2001年から始めます。 これまでの信念通り「手積みでの収穫」、「野生酵母のみを使用した醗酵」、「オーガニックを推し進めるのではなく当たり前であること」そして、できる限りシンプルに造ることを目的に打ち込みます。 「Mahi・マヒ」とは「作品」「手工芸品」といったような意味するマオリ語であり、ラベルに見られる植物は「強さ」、「人生」そして「成長」を表しを表すニュージーランド原産の「シダ」が描かれています。全てのワインにとって最も重要視される事は果実味爆弾のようなスタイルよりむしろ、本当に口中に満足感を与えるワインとなる質感やバランスであると。単一畑のワインに使う葡萄は手積みによる収穫、選定、ぶどうは優先的にワイナリーで全房ごと圧搾されます。これは葡萄が房としての状態で軽くプレスされることで茎がクッションとなり、より自然に搾汁できるからです。醗酵は葡萄に付着しているその土地にある酵母のみを使用します。 マルボローのテロワールを表現ダーウェント・リバーの西岸は栄養分と保水力の少ない土壌で、傾斜面の上の方は主に細かいシルトの砂礫層で、赤ワイン用の葡萄の栽培に適しています。傾斜面の下の方では主に水捌けの良い土壌で、春の開花までの数週間に熱を集めておくことが出来ます。 ダーウェント・リバーは葡萄畑に穏やかな気候条件をもたらします。河の水は大きな気温差を和らげる効果があり、夏場は気温を下げ、冬は気温を上げる働きをします。穏やかな海洋性気候で、夏から秋にかけてよく晴れた日が続き、低収率の高品質葡萄を育てるための基盤を作るのに最適な環境です。葡萄への病害の危険性は非常に低く、強いて言えば渡り鳥などの餌食になるという被害に限られます。 この地域では、雨はほとんど葡萄が休眠中の冬に降り、年間雨量は600ミリを超えることはめったにないほどです。収穫は3月下旬から5月下旬の間に、それぞれの品種やワインのスタイル、シーズン状況に応じて果実が最適の熟度になったときに行います。葡萄栽培においては、多大な労力と資本が必要ですが、剪定から収穫に至るまで、すべて手作業で行います。 樽を使用する場合、ワインにより個性的な風味を与えるものとしてフレンチオークを使用します。ピノノワールはノンフィルターで瓶詰めされます。 最初に作られた畑は「バーン・ヴィンヤード」、1.5ヘクタールの小規模な区画でソービニヨンブランとピノノワールが植えられ、マールボロのコンダーズ・ベンド地区に位置します。 そして2003年、「ツイン・ヴァレー・ヴィンヤード」が新たな畑として選定され、「フェアーハム・レーン」の位置するワイラウ・ヴァレーとは明確に区別できる場所にあり、山間からかなり西方に位置するためわずかに冷涼な気温を維持し、ぶどうが熟す時間を要する地域となります。ここにはブルゴーニュスタイルのシャルドネとピノノワールが植えられており、2006年からゲヴァルツトラミナーも収穫されています。 マヒにとっての大きな転換はブライアンが2006年をもってマールボロやチリのコンサルタント事業から身を引き、マヒを「ホーム」としてここだけに集中することができるようになったことです。現在、6つのシングルヴィンヤードからソービニヨンは分類され、2007年から「マールボロ・ソービニヨンブラン」として2箇所のシングルヴィンヤードの葡萄を使ったワインが作られました。 ジャンシス・ロビンソンの中でトップ4ニュージーランド・ワイナリーとして称されています。 |
マヒ Mahi
絞り込み