サトウ・ワインズ　ピノ・ノワール　ランソリット　2021

しなやかでスムース、優れた手腕を感じる全房発酵のトップキュヴェ

サトウ・ワインズはニュージーランドのセントラル・オタゴで大阪出身の佐藤夫妻によって2009年に設立されたワイナリーです。2016年には念願の自社畑の栽培(ビオディナミ農法、BioGro認証取得)がスタート。2019年には自前の醸造所も畑に隣接して建てられました。今後もサトウ・ワインズは新たな挑戦へと進み続けることでしょう。

「ランソリット」とは仏語で「奇妙な、風変わりな」という意味。全房発酵による他とは異なる発酵方法に由来し、このような名前にしたそうです。全房発酵は、ブドウが本来持つ複雑な表情と個性が得られる反面、醸造においては微生物の増殖などが起こりやすく、発酵をコントロールするのがとても難しい醸造法です。バランスのよいワインに仕上げるには「造り手の腕」が非常に重要になります。

ノースバーンで収穫されたピノ・ノワールを使用。80％を全房のままカーボニック・マセレーション。その後人の足で破砕され、自然発酵および圧搾。タンクで落ち着かせ、古樽で17カ月熟成しています。

ラズベリーやカシス、ブラックチェリーなど、赤や黒の果実が混ざり合うアロマ。高い全房発酵率にも関わらず、青いニュアンスはなく、レモングラスや黒胡椒のようなスパイシーさを感じます。しなやがで非常にスムースな味わいです。