ロケーション地図
世界トップクラスの白ワイン、そして、ピノ・ノワールのワインを生み出すことを目的に拓かれたアコンカグア・コースタの畑。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、カルメネールなど、これまでのボルドー品種主体の黒ブドウの産地は海岸線から約60km、ワイナリーがある「ドン・マキシミアーノ・エステート」周辺にある「Max」と呼ばれる、黒ブドウがしっかりと熟す温暖な内陸部の畑で栽培されてきたのに対し、アコンカグア・コースタは海からわずか12kmに位置しています。 チリの冷涼地域として90年代から拓かれていたカサブランカ・ヴァレーですら海から20~40kmの距離なので、アコンカグア・コースタがいかに南極からの寒流の影響をダイレクトに受け、より冷涼な気候にあるかがよくわかります。 標高差、斜面、日照面風景
カサブランカ・ヴァレーは主に平地に畑が拓かれてきましたが、標高100m~300mの丘陵地を切り拓いたアコンカグア・コースタは、ほとんどの畑が斜面にあるので、それぞれ日照面の異なる斜面を持っています。畑が道ひとつ隔てただけで全く異なる味わいのワインを生み出すブルゴーニュ。そんな偉大な産地ブルゴーニュと同じようなミクロクリマを多数持つ、複雑な地形となっているのがもっとも大きな特徴です。また、同じヴィンヤード内でも多様なブレンドの可能性が生まれ、味わいに一層の多面性や豊かな表現力、そして複雑な奥行きが生まれます。 気候アンデス山脈
海から12kmということもあり、太平洋を流れる寒流の影響を強く受け、涼しい気候となります。積算温度の平均は、海に近い西側は約1199度。内陸よりの東側は1331度。ブルゴーニュの平均となる1319度と同等か、さらには低い温度なので、数値から見てもかなり冷涼な気候ということがわかります。 早朝、朝からの冷たい風とともに霧が流れ込み、昼頃までには晴れ上がるので十分な日照が得られますが、午後には再び海からの涼しい風が吹き始め、夜にかけて気温が大きく下がります。朝晩の寒暖差が大きいので、ブドウの成熟がゆっくりと進み、その結果、酸がしっかりと残ります。 年間降水量は約350mmと少なく、ブドウの成育期はほぼ雨が降らないため、タンニンまでしっかり熟すまで待ってから収穫できるというのも大きな特徴となります。 土壌ピサラ
カサブランカ・ヴァレーが主に平地の砂質のローム層なのに対し、アコンカグア・コースタは「ピサラ」と呼ばれるシストやスレートの岩盤層があり、これまでのチリワインにはあまり感じることのなかった豊かなミネラリティを持つワインとなります。表土から約30cmの深さには岩盤があり、岩盤上に粘土質のローム層が堆積するこの「ピサラ」は、ローヌ地方のコート・ロティやスペインのプリオラートでも見られる土壌でもあります。特にアコンカグア・コースタのシストは、非常に古い時代に生成されたものなので、砕けやすく、排水性に優れ、ブドウの根が割れた岩の隙間から地中に深く伸び、豊富なミネラルを吸収しやすいという特徴があります。 品種と植樹衛星写真
エラスリスがアコンカグア・コースタに所有する1,100haの内、約20%となる約230haにブドウ畑を開墾しています。各ヴィンヤードを小ブロックごとに区分けし、人工衛星を使った植生指数によって植樹や樹勢、さらに収穫のタイミングなどの管理を行うなど、それぞれのミクロクリマや土壌に適した品種の管理を緻密に行っています。 |
アコンカグア・コースタ Aconcagua Costa
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