ヴォーヌ・ロマネの歴史にその名を残す重鎮

気難しいと言われ、ペルナン・ロサン本人の言葉が日本に届くことはほとんど皆無でしたが、間違いなく彼はブルゴーニュの歴史に残る、偉大な造り手の一人です。フランス国内にも多くの熱狂的なファンを持ち、あのルロワも認める造り手でしたが、高齢のために皆に惜しまれつつも2001年に引退しました。

現在市場にあるものは、2000年までの希少なストックで、非常に入手困難となってしまいました。周囲の造り手が最新技術や農薬による効率を重視する時代、早くから減農薬(リュット・レゾネ)に取り組み、可能な限り完熟の状態で収穫するという、現代では当たり前ですが、当時にしては稀な考え方を積極的に取り入れていました。

現トップ・ドメーヌとペルナン・ロサンの存在

ブルゴーニュの神様と呼ばれる、アンリ・ジャイエ最後の弟子と言われるクリストフが所有するペロ・ミノを、現在のスター・ドメーヌに押し上げた要因に、このアンドレ・ペルナン・ロサンの存在があります。ヴォーヌ・ロマネの歴史にその名を残す、重鎮アンドレ・ペルナン・ロサンは1999年に引退を決意した際に、モレ・サン・ドニ“モン・リュイザン”とニュイ ・サン・ジョルジュ“ラ・リシュモーヌ”など、非常に優れた貴重な畑をペロ・ミノに託したのです。

そして、 2001年にはその多くの畑をペロ・ミノに売却した後、引退しました。 現在、スター・ドメーヌとなったクリストフ・ペロ・ミノは、ペルナン・ロサンの畑を入手したことによって、トップドメーヌの仲間入りを果たしたと言われています。