ボルドーらしいクラシックな仕上がりの2014年

完璧主義を貫く篠原さんは、一般的な他のシャトーの2、3割の生産本数しかなくても、その数倍は仕事を行うという徹底ぶり！　ビオディナミは実践していないものの、それでも化学肥料は使わず堆肥のみで栽培し、除草剤も使わず畑の状態が常に良好になるようしっかりとコントロールしています。

収穫ももちろん手作業。畑で良い房のみを選び、さらにそこから問題のある粒を取り除くなど、良質なブドウを得るためにできることは徹底して行っています。

現代的な少量生産のガレージワインですが、新しい技術に頼ったような醸造は行わず、あくまでも土壌に適した手法を試行錯誤しながら見つけ出し、テロワールとヴィンテージの持つ力を存分に引き出せるよう、最適な方法を模索しながら造り上げています！　ファーストヴィンテージ以降、毎年ワインのスタイルが変わっているのもそのためで、今もな最適な醸造方法を見つけ出すために試行錯誤を続けています。現在のところ、熟成期間はブルゴーニュの樽で16～19カ月。新樽比率も30％程度まで落としています。

天候が振るわなかった2013年に比べ、2014年はブドウはたくさんの実を付けました。初夏に色づきの悪いブドウを落とし、例年程度に量をコントロールしました。思ったほどに夏は暑くなりませんでしたが、収穫期には晴天に恵まれ、収穫を遅らせることで、しっかりと熟したブドウを得ることができました。約15カ月間の樽熟成を行い、タンニンも優しくなり、ボルドーらしいクラシックな仕上がりとなりました。

チェリーや熟した赤い果実の香り、リコリスや重心の低いエレガントな酸が特徴です。まるで左岸のような印象を抱かせる2014年ヴィンテージ。まだ閉じた状態ですので、あと数年の熟成をおすすめします。

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