ブルネッロに最適な土壌が生むエレガントかつダイナミックなワイン

バリッチは、モンタルチーノ村の北東、コロンバイオ・モントソーリで、代々バリッチ家が営んできた伝統的なワイナリーです。ブルネッロの栽培に最も適したガレストロ土壌の畑から、エレガントかつダイナミックなブルネッロとロッソのワインを、伝統的な手法を用いて丁寧に醸造しています。今でこそ名声を得ているブルネッロ・ディ・モンタルチーノですが、当時は未知のワインであり、生産量も少なく、ほんのわずかなファンしかいませんでした。しかし時の流れとともにブルネッロの名声は高まり、1967年に創設者のネロ・バリッチは数人の生産者とともにワインを保護、宣伝することを目的として「Consorzio del Vino Brunello di Montalcino」を設立しました。バリッチのワインは典型的なクラシックスタイルのモンタルチーノとして世界中で広く知られており、同時にブルネッロ・ディ・モンタルチーノを世界に誇る素晴らしい品質にすることに貢献した、丁寧な造りの小規模生産者の1人としても知られています。

初めて市場に出たバリッチのブルネッロ・ディ・モンタルチーノは1971年ヴィンテージで、ロッソ・ディ・モンタルチーノのファーストヴィンテージは1968年です。現在、孫のフェデリコとフランチェスコは、伝統、情熱、そして真剣さの代名詞である家族の名前を引き継いでいます。

テロワールを真に表現するモントソーリ唯一のカンティーナ

四方から吹く風を遮るモンタルチーノの丘のおかげで、涼しくてさわやかな気候がもたらされるモントソーリ。土壌は海洋起源の培地混合物に混合された泥灰、石英片岩、ガレストロの土壌です。少なくとも5世紀にわたってワイン産地として知られており、この丘とサンジョヴェーゼの関係は、ブルネッロが世界で成功する数百年前にルーツがあります。先代のネロ・バリッチは「若い頃から、モンタルチーノで最高のワインとしてモントソーリのワインは高名だった。当時、毎年シエナでワインコンペティションが開催され、それは常に最優秀賞を受賞していました。」と語っています。バリッチが所有する6つの小さなブドウ畑は互いに隣接しているため、合計5haの単一のブドウ畑と定義することができます。さらに、バリッチはモントソーリの丘にある唯一のカンティーナであり、この地域にのみブドウ畑を持っているため、このエリアのテロワールを真に表現している生産者といえます。畑は南南東向きで非常に日当たりが良いため、このエリアの他の地域よりも夜間との寒暖差に恵まれ、ブドウの最適な熟成を可能にします。先代の教えにもあるように、良質のワインは熟成庫だけではなく畑での偉大で賢明で辛抱強い仕事から生まれ、「地球から受け取るものは、地球に与えたすべてのものから生まれる」という考えに基づいて、畑では除草剤を使用しない栽培を行っています。

洗練を追求したスラヴォニアンオークでの熟成

1世紀以上の伝統と実験により、カンティーナでは品種をより洗練させるためにスラヴォニアンオークの使用を重要視しています。この樽で熟成させることで、ワインは角度があり、力強く、時に若々しい印象を与えます。熟成庫には、20～40hlの中型のスラヴォニアンオークがあり、ブルネッロはここで約36カ月、ロッソは1年弱熟成を行います。木材の種類、樽のサイズ、経年変化の長さの組み合わせは、ワインを熟成させることにおいて非常に重要なポイントです。フレッシュさとバランス、エレガンス、フィネスを備えたロッソ、そして素晴らしい飲み心地をもつブルネッロがカンティーナの看板です。総生産量は年間30,000本で、ブルネッロでは約12,000本、ロッソでは18,000本。他にもグラッパやオリーブオイルなども生産しており、ヨーロッパをはじめ、アメリカ、日本などさまざまな国で販売されています。