こんにちは、ブルゴーニュ愛好家WEB店長の細川です。
先日、ジュヴレ・シャンベルタンの造り手「マルク・ロワ」の4代目当主アレクサンドリーヌさんが来日し、セミナーを開いてくださいました。

今年リリースされる2023年ヴィンテージは、彼女がドメーヌのワイン造りに本格的に携わってから20年目となる節目の年。
畑とブドウ樹の管理に重きを置き、年間を通して畑仕事に精力的に取り組む姿勢が、健全で質の高いブドウを生み、テロワールの表現につながっています。

畑には自然と動物や昆虫が集まり、環境の良さを物語っていました。
ビオディナミの認証を取得しているわけではありませんが、実践内容は非常にビオディナミ的。
畑を見れば、その健全さが一目で伝わってきます。

2024年は、天候に悩まされた年でもありました。
開花期には雨と風で花が落ち、その後も雨が続き病気のリスクが高まったため、毎朝4時に起きて対策を行ったそうです。「本当に大変だった」と語る彼女から、特別に収穫したブドウの写真を見せていただきましたが、凝縮感があり、健康的な粒揃いのブドウは、見た瞬間にその質の高さが伝わってくるものでした。

例年の収量は約40hlですが、2024年は28hlと大きく減少。生産量は限られますが、2024年のリリースに期待が膨らみます。醸造面では、選果台は使用せず、畑での選果を徹底。これが可能なのは、20年来の収穫チームの存在があるからこそ、とのことです。

100%除梗、天然酵母による発酵、ピジャージュも道具を使わず手作業で行います。
熟成にはCADUS社の最高品質の新樽50%と、1年使用の古樽50%を使用。どのキュヴェも一貫して丁寧に仕上げられています。

テイスティングコメントは下記をご覧ください。↓

●ブルゴーニュ ルージュ 2022
ジュヴレ・シャンベルタン村のブドウを使用。
スミレのような華やかでデリケートなアロマ。
艶やかな果実味に、ほんのりバニラのニュアンスと清涼感。
柔らかなタンニン、緻密で軽快な口当たり。
ジュブレらしい鉄分感も感じられる。

●ジュヴレ・シャンベルタン ラ・ジャスティス 2021
黒系果実の香りに、甘いクローブのようなスパイスのニュアンス。
とても滑らかで上品、今すぐ楽しめる柔らかな味わい。

●ジュヴレ・シャンベルタン ヴィエイユ・ヴィーニュ 2023
奥行きのある甘やかな香り。
リリース直後ながら、すでにバランスの取れた味わい。
テクスチャーは非常にシルキーで、口中に広がる優しさが印象的。

●ジュヴレ・シャンベルタン キュヴェ・アレクサンドリーヌ 2023
ドメーヌにおける“グラン・クリュ的”存在の特別なキュヴェ。
香りからすでにオーラを放ち、惹きつけられる。
酸と糖のバランス、凝縮感が秀逸。
非常にきめ細かくパウダリーなタンニンが印象的。

●ジュヴレ・シャンベルタン ラ・ジャスティス 2023
黒系果実を主体に、ほのかに赤果実も感じられる複雑な香り。
タンニンはきめ細かく、ミネラル感のある余韻が心地よい。

●ジュヴレ・シャンベルタン ヴィエイユ・ヴィーニュ 2022
2023年、2021年と比べると、より力強く香り高い印象。
黒果実主体の中に、赤果実が絶妙に溶け込む。
ややドライなタンニンがあり、タイトで引き締まった印象。

●ジュヴレ・シャンベルタン キュヴェ・アレクサンドリーヌ 2022
開けたてはやや閉じ気味の香り。
ジューシーな果実味がありながら、全体は引き締まった印象。
軽やかというよりは、エアリーで芯のある味わい。
今回の中で最もポテンシャルを感じた1本。

●マルサネ ブラン レ・シャン・ペルドリ 2022(白)
化粧感を避けるため、主にステンレスタンクで醸造。
(当主がエアリーな白を好むこともあり)
20%のみ軽く焼いたアリエ産の新樽を使用。
完熟した柑橘のアロマ、柔らかく、塩味を伴うバターのようなオイリーな質感。
豊かさと酸のバランスが心地よく、シャルドネとテロワールの個性がよく表れている。

総じて素晴らしいポテンシャルを秘めており、クラシックブルゴーニュ好きにはぜひ一度お飲みいただきたい、繊細で奥深い味わいです。
是非お試しください!

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