皆さんは、世界に誇るソムリエさんが京都にいらっしゃるのをご存知ですか?
日本一、アジア・オセアニア一を経て、世界最優秀ソムリエコンクールでもセミファイナリスト(5位)に選出された岩田渉氏です! 岩田ソムリエは世界中のワインにお詳しいのは勿論ですが、温和で闊達、いつもとびきりの笑顔で最高に素敵なサービスをしてくださる、夢のようなソムリエでいらっしゃいます。
そんな岩田ソムリエに突撃取材に伺いました!
WG吉田(以下、W) 世界のワインの最新情報をお持ちの岩田さんにお聞きします。最近、世界のワイン事情はどのように変化していますか?
岩田ソムリエ(以下、岩) 私がワインの世界に入った10年ぐらい前とは確実に変わってきていますね。今までずっと造られてはきたけれど注目されていなかったワイン、例えば①イギリスのスパークリングワインや②ジョージアのオレンジワインなどが注目され、それは世界的に多様性が重要視されているのと同様で、ワインもダイバーシティ、多様性が広がっています。 一方、伝統的なワイン産地も時代を意識してか、面白いワインを造っています。
W 伝統的なワイン産地の面白いワインとは、例えば?
岩 例えば、サスティナブルを意識しているシャンパーニュ。使用する水は100%リサイクル、重い瓶は廃止、透明ガラスではなくリサイクルから作れる色付きのガラス瓶を採用。他にも、中身もフィールドブレンド(混植混醸)で古代品種を使用している、など③今までと違うアプローチのシャンパーニュなどもあります。
後はスペインの④カナリヤ諸島のワインや、グレドスマウンテンのガルナッチャなども個性的で注目しています。昔のワインマーケットでは出てこずに地元だけで消費されていたようなワインが、今はサンフランシスコやロンドンでも飲まれているという状況が面白いと思います。
W 私達ワインラヴァーは、今現在、家庭ではどのようなワインをどのように楽しんだらよいと思われますか?
岩 ご自分の好きなワインだけをずっと飲まれる方も多いと思うのですが、日本のワインマーケットは世界でもトップレベルなほど成熟していて、他の国では手に入らないようなワインが買えるという大変恵まれている状態です。ですからお好きなワイン以外も飲んで、新しい発見と世界の多様化の状況を楽しんでほしいです。それによって、改めてご自分が好きな産地の良さや特異性も再発見することが出来ます。
W 新しいワインといっても沢山ありますが、どれを選んだら良いでしょうか。
岩 そういう時こそ、信頼できるソムリエやワインショップに聞いてみてください。例えばワイングロッサリーのお店の方に聞くとか、ワイングロッサリーのメルマガに登録して毎日送られてくるメルマガの中から面白そうなワインを買ってみる、とか(笑)。
W ありがとうございます(笑)。ちなみに、昔からのブルゴーニュファンの方にオススメの最近のワインはありますか。
岩 ブルゴーニュらしいワイン、というのはありそうでなかなかないのですが、例えばオーストリアやニュージーランドの冷涼気候で造られたシャルドネやピノ・ノワール。ジャイアント・ステップや⑤クメウ・リヴァーのシャルドネ、ピノ・ノワールでは入手困難ではありますがベルヒル、あとは⑥フェルトン・ロードもオススメです。
W 岩田ソムリエのご提案されるワインと料理のマリアージュにはいつも新鮮な驚きがあって感動するのですが、家庭でのマリアージュのポイントはありますか?
岩 簡単なのは、似ている色を合わせるというやり方です。白ワインなら白っぽい食材(白身魚や豚や鶏などの白身肉など)、赤ワインなら赤っぽいもしくは黒っぽい食材(赤身の魚や肉、ゴボウ、キノコなど)や調味料を合わせる。もう少し上級編になると、ワインメイキングやブドウ品種の個性を踏まえて色で合わせるのもいいですね。例えばシャンパーニュのブラン・ド・ノワールなら黒っぽい食材を合わせたり、付け合わせに赤っぽいものを添えたり、もしそれが樽を使った醸造なら食材に焼き目をつけたりする、という。
W なるほど!ちょっとした工夫でワインに合うお料理になるのですね。でも、日常的にはちょっと難しそう~。料理を決めてからワインを考えるというのもありですか?
岩 はい、その場合は逆に料理の色を見て、ワインを考えると良いと思います。
W 岩田さんはいつもご自宅でもそうやって、ワインとお料理を合わされているのですか。
岩 全くそんなことはしていません(笑)。リラックスした雰囲気で飲みたいものを飲んで、食べたいものを食べる。それが一番楽しめます。
W それを聞いて安心しました(笑)。
岩 ただ、日本では、世界中の料理を日本にいながら食べることが出来ます。好きなお料理があっても、たまに違うものを食べたりするとまた楽しい。ワインも同じで、「色々なワインを飲む幸せ」を楽しんでほしいと思います。
今は本当に沢山のワインがあるので、たまに冒険されるのも楽しいですよね。その冒険がより楽しめるように我々はサポートを頑張りたいです!
W 最後に…岩田さんが一番お好きなワインはなんですか。
岩 どんなワインでも好きなので難しい質問です!でも先日、家のワインを整理していたら、一番沢山持っていたのは⑦シャブリでした。確かにシャブリはよく飲みます。
W 多様なワインを楽しまれる岩田さんでも、シャブリをよく飲まれるというのは嬉しい情報です。我々もお客様に対して、新しく知られるようになった産地も伝統産地も、分け隔てなくご紹介していきたいと思います。
今日はありがとうございました!
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